トヨタが22年ぶりの新型タクシー専用車として開発し、すでに全国各地で走り始めている「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」。
タクシーとしての使い勝手を高め、環境負荷の低減や安全性の向上を実現しています。
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ジャパンタクシー メガウェブ展示車 2018年1月撮影
乗降のしやすい、広い車内空間を確保するために、車体形状は背の高いワゴン型に。セダン型のクラウンコンフォートよりも、全長は約30cm短くなりました。営業車らしい落ち着いたデザインは、派手なデザインが流行する今日では、かえって個性的です。
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ジャパンタクシー メガウェブ展示車 2018年1月撮影
国が認定する「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー」の認定要領レベル1に適合。使用頻度の高い左後部ドアはスライド式で、乗務員が運転席のスイッチで開閉できます。床が低く平らで、ドア開口幅は720mmと広いため、座席をたたみ、スロープを設置すれば車いす利用者も左後部ドアから乗降できます。
LPガスエンジン(直4・1500cc)と電気モーターを組み合わせたハイブリッド車となり、燃費はLPガス車のクラウンコンフォートの2倍となる19.4km/Lに向上。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」(自動ブレーキ、車線逸脱警報など)を採用するなど、安全性を高めています。
他にも、視認性の優れたフェンダーミラー、修理しやすい分割式バンパー、耐久性の高いサスペンションなど、タクシーならではの専用設計や工夫を多数盛り込み、希望小売価格は上級グレードの「匠(たくみ)」が約350万円、廉価グレードの「和(なごみ)」が約328万円です。
コンフォート系は2013年10月の一部改良の時点で、最も高いクラウンセダン・スーパーサルーンが約297万円、最も安いコンフォート・スタンダード(5MT)が約180万円でしたので、初期コストは上昇しています。
車体の色も特徴です。日本のタクシーは、地域や会社ごとに多種多様な塗装が施されていますが、ジャパンタクシーは、「深藍」(トヨタは「こいあい」と読ませる)を共通のイメージカラーとして提唱。ニューヨークのイエローキャブ、ロンドンのブラックキャブのように定着すれば、単に車両の世代交代を超え、日本の街の風景そのものを大きく変えることになります。